ペンは剣よりも強し。
そうですね。無知は意図的な悪よりも脅威。
昨日読み始めた『I AM MALALA』の著者、マララさんの国連スピーチ。
スピーチもとてもわかりやすいし、本もシンプルだけど情景が伝わってくる文章で
とっても面白いです。
もしかするとパキスタンの情景が思い浮かべられるのは
インドに住んでるからかもしれないですが。
マララさんが訴えている教育、機会均等の大切さは日本から遠い国の問題ではない
と思います。
でもやっぱり日本の中にいるとあまりピンとこなかったかもしれない。
なんで世界の問題を考えなくちゃいけないのかと聞かれるといつも悩んでしまう。
私は単に考えたいから考えてるだけ。
私の考え方としてはただ、せっかく地球に生まれたのだから
地球上のことはなるべく見聞きして体験して、自分なりに考えたいと思っています。
それから無知は意図的な悪よりも脅威、だから。
いつでも問題について知って考えなければ
自分が加害者になっていても気づかないことがある。
それから自分が被害者になった時、どうすればいいかわからなくなってしまう。
すべて人生で起こる問題は人間関係。
それに太刀打ちできるのはペン、というか知識を付けること。
考える事。イマジネーションしかない。
人の権利は一度手に入れれば永遠に続くものではなく、
常に気を付けていなければ気づかないうちに奪われてしまう。
戦争は宗教対立から引き起こされるという人が多いけれど実はそうじゃない。
戦争は無知と貧困から引き起こされる。
宗教や政治の話は難しいし終わりがないからと嫌厭する人が多いけれど、
難しいし終わりが無いからこそ考えなくてはいけない。
考えないこと、無知でいることが一番の悪だということに、気づかないといけない。
● マララさんの国連スピーチ全文
In the name of God,
The Most Beneficent, The Most Merciful.
Honourable UN Secretary General Mr Ban Ki-moon,
respected president of the General Assembly Vuk Jeremic,
honourable UN envoy for global education Mr Gordon Brown,
respected elders and my dear brothers and sisters:
Assalamu alaikum.
慈愛に満ち,慈悲深き神の名において。
尊敬すべきパン・ギムン国連事務総長、ヴク・ジェレミック国連総会議長
ゴードン・ブラウン国連世界教育特使、年配の方々、そして親愛なる同年代の皆さん
アッサラーム・アラエクム(皆さんに平和を)
Today is it an honour for me to be speaking again
after a long time.
Being here with such honourable people is a great moment
in my life and it is an honour for me that today I am wearing
a shawl of the late Benazir Bhutto.
I don't know where to begin my speech.
I don't know what people would be expecting me to say,
but first of all thank you to God for whom we all are equal
and thank you to every person who has prayed for my fast
recovery and new life.
I cannot believe how much love people have shown me.
I have received thousands of good-wish cards
and gifts from all over the world.
Thank you to all of them.
Thank you to the children whose innocent words
encouraged me.
Thank you to my elders whose prayers strengthened me.
I would like to thank my nurses, doctors and the staff of
the hospitals in Pakistan and the UK and the UAE government
who have helped me to get better and recover my strength.
今日久しぶりに再びここで話ができて光栄です。
先ほど申し上げた尊敬すべき方々とここにいることは
私の人生にとって素晴らしい瞬間です。
そして今日、私が故ブット首相が晩年に身につけていたショールを着ていることは
名誉であります。
さてどこから話せばいいでしょう。
みなさんが私のどんな言葉を期待しているのかわかりませんが
はじめに我々がその前では平等である神に感謝を申し上げます。
そして私の早い怪我からの回復と新しい生活のために祈ってくれた
全ての人々に感謝いたします。
みなさんが私に示してくれた愛の大きさは信じられないほどです。
私は世界中から、何千もの温かいカードや贈り物をいただきました。
一つ一つに感謝します。
純真な言葉で私を勇気づけてくれた子どもたちに感謝します。
祈りで私に力を与えてくださった大人の方々に感謝します。
私が回復し、力を取り戻すのに手助けをしてくれたパキスタンとイギリスの病院の
看護師、医師、そして職員の方々、およびアラブ首長国連邦政府に感謝を申し上げます。
I fully support UN Secretary General Ban Ki-moon in his
Global Education First Initiative and the work of UN Special Envoy
for Global Education Gordon Brown and the respectful president
of the UN General Assembly Vuk Jeremic.
I thank them for the leadership they continue to give.
They continue to inspire all of us to action.
Dear brothers and sisters, do remember one thing:
Malala Day is not my day. Today is the day of every woman, every
boy and every girl who have raised their voice for their rights.
私はパン・ギムン国連事務総長の世界教育推進活動とゴードン・ブラウン国連世界教育特使と
ヴク・ジェレミック国連総会議長の活動を私は全面的に支持します。
止むことのないそのリーダーシップに感謝します。
彼らの活動は私たちが行動を起こすときに勇気を与えてくださっています。
同年代の皆さん、忘れないでください。「マララの日」は私1人のものではありません。
今日は、自分の権利のために声を上げてきた全ての女性や少年少女のための日なのです。
There are hundreds of human rights activists and social workers
who are not only speaking for their rights, but who are
struggling to achieve their goal of peace, education and equality.
Thousands of people have been killed by the terrorists
and millions have been injured. I am just one of them.
So here I stand, one girl among many. I speak not for myself,
but so those without a voice can be heard.
Those who have fought for their rights.
Their right to live in peace. Their right to be treated with dignity.
Their right to equality of opportunity. Their right to be educated.
自分の権利を訴えるだけでなく、平和や教育や平等という目標を達成しようと
闘っている、何百という人権活動家やソーシャル・ワーカーがいます。
何千という人々がテロリストによって命を奪われ、
何百万という人々が傷つけられています。
私はその中の1人にすぎません。
私は数多くの人々の中の1人としてここに立っています。
私は自分のために話すのではありません。
声が届くことのない「声なき人々」のためです。
自分の権利のために闘っている人々です。
その権利とは、平和に暮らす権利,尊厳を持って扱われる権利、
機会均等の権利、教育を受ける権利のことです。
Dear friends, on 9 October 2012, the Taliban shot me on
the left side of my forehead. They shot my friends, too.
They thought that the bullets would silence us, but they failed.
And out of that silence came thousands of voices.
The terrorists thought they would change my aims and
stop my ambitions. But nothing changed in my life except this:
weakness, fear and hopelessness died.
Strength, power and courage was born.
I am the same Malala. My ambitions are the same.
My hopes are the same. And my dreams are the same.
Dear sisters and brothers, I am not against anyone.
Neither am I here to speak in terms of personal revenge
against the Taliban or any other terrorist group.
I am here to speak for the right of education for every child.
I want education for the sons and daughters of the Taliban
and all the terrorists and extremists.
I do not even hate the Talib who shot me.
親愛なるみなさん。2012年10月9日、タリバンは私の額の左側を撃ちました。
私の友人たちも撃ちました。
彼らは銃弾で私たちを黙らせようと彼らは考えました。
でも失敗したのです。
沈黙から生まれたものは数千もの声だったのです。
テロリストたちは私の目的を変えさせ、志を打ち砕こうと考えました。
しかし、私の人生で変わったものは何もないのです。
例外といえば、弱さ、恐怖、そして絶望が消えました。
そして強さ、力、そして勇気が生まれました。
私は以前と変わらない「マララ」のままです。
志も同じです。希望も同じです。夢も同じです。
親愛なるみんさん、私は誰かに抵抗しているわけではありません。
タリバンやその他のテロリスト集団に対して個人的な復讐のために
ここで話しているわけではありません。
ここで話しているのは全ての子どもの教育を受ける権利のためです。
タリバンや全てのテロリストたち、または過激派の息子や娘たちに
教育が必要だと思うのです。
私は私を撃ったタリバン兵士を憎んでさえいません。
Even if there was a gun in my hand and he was standing
in front of me, I would not shoot him.
This is the compassion I have learned from Mohamed,
the prophet of mercy, Jesus Christ and Lord Buddha.
This the legacy of change I have inherited from
Martin Luther King, Nelson Mandela and Mohammed Ali Jinnah.
たとえもし私が手に銃を持っていて、兵士が私の前に立っていても
私は彼を撃たないでしょう。
これは私が慈悲を持った予言者モハメッド、キリスト、そして釈迦から学んだ
思いやりの心なのです。
これはキング牧師、ネルソン・マンデラ、そしてパキスタン建国の父
ジンナーから受け継いだ変革という財産です。
This is the philosophy of nonviolence that I have learned
from Gandhi, Bacha Khan and Mother Teresa.
And this is the forgiveness that I have learned
from my father and from my mother.
This is what my soul is telling me: be peaceful and love everyone.
これはガンジー、アフガニスタンのバシャ・カーン、
そしてマザー・テレサから学んだ非暴力という哲学です。
そして私の父と母から学んだ許しの心です。
私の魂が私に話しかけてきます。「心を穏やかに。全ての人を愛しなさい」
Dear sisters and brothers, we realise the importance of light
when we see darkness.
We realise the importance of our voice when we are silenced.
In the same way, when we were in Swat, the north of Pakistan,
we realised the importance of pens and books when we saw the guns.
The wise saying, "The pen is mightier than the sword." It is true.
The extremists are afraid of books and pens.
The power of education frightens them. They are afraid of women.
The power of the voice of women frightens them.
This is why they killed 14 innocent students in the recent attack
in Quetta. And that is why they kill female teachers.
That is why they are blasting schools every day
because they were and they are afraid of change and equality
that we will bring to our society.
And I remember that there was a boy in our school who was
asked by a journalist: "Why are the Taliban against education?"
He answered very simply by pointing to his book, he said:
"A Talib doesn't know what is written inside this book."
親愛なる同年代のみなさん。私たちは暗闇を見たときに光の大切さに気づきます。
黙らせられると声の大切さに気づきます。
同様に、パキスタン北部のスワートにいたとき、私たちは銃を見て
本とペンの大切さに気づきました。
「ペンは剣より強し」ということわざは本当です。
過激派は本とペンを恐れます。教育の力が彼らを恐れさせます。
彼らは女性を恐れます。女性の声の力が彼らを恐れさせます。
だから彼らは最近クエッタを攻撃したとき、
14人もの罪のない学生や女性教師を殺害したのです。
だから毎日学校を爆破しているのです。
なぜなら私たちが社会にもたらそうとしている変革と平等を恐れたからであり
今も恐れているからです。
私は学校にいた1人の少年を覚えています。彼はあるジャーナリストに
「なぜタリバンは教育に反対しているのでしょう?」と尋ねられました。
彼は本を指さしてとてもシンプルに答えました。
「タリバンはこの本の中に書かれていることを理解できないからだよ」
They think that God is a tiny, little conservative being
who would point guns at people's heads just for going to school.
These terrorists are misusing the name of Islam
for their own personal benefit.
Pakistan is a peace-loving, democratic country.
Pashtuns want education for their daughters and sons.
Islam is a religion of peace, humanity and brotherhood.
It is the duty and responsibility to get education for each child,
that is what it says. Peace is a necessity for education.
In many parts of the world, especially Pakistan and Afghanistan,
terrorism, war and conflicts stop children from going to schools.
We are really tired of these wars. Women and children are
suffering in many ways in many parts of the world.
彼らは神は取るに足らない小さい保守的な存在だと考え、
ただ学校に行っているという理由だけで頭に銃を向けるようなことをしています。
このようなテロリストたちは自分たちの個人的な利益のために
イスラムの名前を悪用しています。
パキスタンは平和を愛する民主的な国家です。
パシュトゥン人は娘や息子たちに教育を受けさせたいと思っています。
イスラムは平和、人間性、そして兄弟愛の宗教です。どの子どもにも教育を与えるのが義務であり責任であると言っています。
平和は教育に必要不可欠です。
世界の多くの場所、特にパキスタンやアフガニスタンでは
テロ、戦争、そして紛争のために子どもたちが学校に行けないでいます。
このような戦争に私たちは本当にうんざりしています。
女性と子どもは世界の多くの場所で、多くの形で苦しんでいるのです。
In India, innocent and poor children are victims of child labour.
Many schools have been destroyed in Nigeria.
People in Afghanistan have been affected by extremism.
Young girls have to do domestic child labour
and are forced to get married at an early age.
Poverty, ignorance, injustice, racism and the deprivation
of basic rights are the main problems,
faced by both men and women.
インドでは罪のない貧しい子どもたちが児童労働の犠牲になっています。
ナイジェリアでは多くの校舎が破壊されています。
アフガニスタンの人々は過激派によって苦しんでいます。
幼い少女たちは家庭内で児童労働を強いられ、低年齢で結婚を強いられています。
貧困、無学、不正、人種差別、そして基本的人権の剥奪が
男女ともに面している一番の問題なのです。
Today, I am focusing on women's rights and girls' education
because they are suffering the most.
There was a time when women activists asked men to stand up
for their rights. But this time we will do it by ourselves.
I am not telling men to step away from speaking for women's rights,
but I am focusing on women to be independent
and fight for themselves.
So dear sisters and brothers, now it's time to speak up.
So today, we call upon the world leaders to change their
strategic policies in favour of peace and prosperity.
We call upon the world leaders that all of these deals
must protect women and children's rights.
A deal that goes against the rights of women is unacceptable.
今日私は女性の権利と少女の教育に焦点を当てました。
なぜなら彼女らが最も苦しんでいるからです。
かつて女性の活動家は彼女らの権利のために男性に立ち上がってほしいと頼みました。
でも今、私たち自身で行うのです。
女性の権利のために男性が手を引いてくれと言っているのではありません。
女性が自立し自分たちのために闘うことに焦点を当てているのです。
ですからみなさん、今こそ声を上げるときです。
だから今日、私たちは世界の指導者たちに平和と繁栄のために
戦略的な方針を変えるよう呼びかけるのです。
全ての政策が女性と子どもの権利を守るものでなければいけないと呼びかけるのです。
女性の権利に反する政策は受け入れられるものではありません。
We call upon all governments to ensure free,
compulsory education all over the world for every child.
We call upon all the governments
to fight against terrorism and violence.
To protect children from brutality and harm.
We call upon the developed nations to support the expansion
of education opportunities for girls in the developing world.
We call upon all communities to be tolerant, to reject prejudice
based on caste, creed, sect, colour, religion or agenda
to ensure freedom and equality for women so they can flourish.
We cannot all succeed when half of us are held back.
We call upon our sisters around the world to be brave, to embrace
the strength within themselves and realise their full potential.
私たちは全ての政府が世界中のどの子どもにも無料の義務教育を確約するよう求めます。
テロや暴力と闘うことを求めます。
残虐行為や危害から子どもたちを守ることを求めます。
先進国に発展途上国の少女の教育を受ける機会の拡充に支援するよう求めます。
全ての地域社会に階級、教義、宗派、肌の色、宗教または行動の指針に基づく偏見を
なくすために寛容であってほしいと願います。
女性の自由と平等を実現していけば、社会は繁栄します。
女性の半数が抑えつけられた状態では、成功はあり得ません。
私たちは世界中の女性に勇敢であることを求めます。
自分の中の力を認め、最大の潜在能力気づきましょう。
Dear brothers and sisters, we want schools and
education for every child's bright future.
We will continue our journey to our destination of peace
and education. No one can stop us.
We will speak up for our rights and we will bring change to our voice.
We believe in the power and the strength of our words.
Our words can change the whole world because we are all together,
united for the cause of education.
And if we want to achieve our goal,
then let us empower ourselves with the weapon of knowledge
and let us shield ourselves with unity and togetherness.
親愛なるみなさん、子どもたちの輝く未来のために学校と教育が必要です。
私たちは平和と教育という目的地への旅を続けます。
だれも止めることはできません。
私たちは自分たちの権利のために声を上げ、変化をもたらします。
私たちの言葉の力と強さを信じています。私たちの言葉は全世界を変えることが
できます。
なぜなら私たちは教育という目標のため団結するからです。
そしてもし私たちが目的に達したいのなら、知識という武器で力を持つのです。
団結し、一つになって自分たちを守るのです。
Dear brothers and sisters, we must not forget that millions of
people are suffering from poverty and injustice and ignorance.
We must not forget that millions of children are
out of their schools. We must not forget that
our sisters and brothers are waiting for a bright, peaceful future.
親愛なるみなさん、数百万の人々が貧困と不正と無学のために苦しんでいることを
忘れてはいけません。
数百万の子どもたちが学校に行っていないということを忘れてはいけません。
多くの少女や少年が明るく平和な未来を待っているということを忘れてはいけません。
So let us wage a glorious struggle against illiteracy,
poverty and terrorism, let us pick up our books and our pens,
they are the most powerful weapons.
One child, one teacher, one book and one pen can change the world.
Education is the only solution. Education first.
Thank you.
読み書きができないこと、貧困、そしてテロに対して栄光ある闘いをするのです。
本とペンを手に取りましょう。最も強力な武器です。
1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンが世界を変えるのです。
教育だけがたった一つの解決策です。
教育が第一。
ありがとうございました。